カッコウの許嫁 瀬川ひろの声優は東山奈央さん

こうして書いていると、私はラブコメディを多角的に見ることが苦手なのではないか、と新たな発見をさせてもらっている気がします。

引用 吉川美希/講談社

いきなり何を言い出すんだ、今回もカッコウの許嫁についての情報をまとめるんだろう、と貴方は言われると思いますがもうちょっと待って下さい。今日のお題は瀬川ひろ。カッコウの許嫁におけるサブヒロインの一人であり、主人公の勉学面におけるライバルでもあり―

1巻から8巻まで何度か読み直しているんですが、天野エリカであれば、メインヒロインであることも手伝ってか、実に様々な面が伺えます。

乙女な所があるかと思えば、実に大人な発言をしたり、アホの子だと思ったら、人生の悟りめいたことを言う事もあります。

こうやって書いているとめちゃくちゃ矛盾した人物像が出来上がってしまいますし、リアルでそんな矛盾した人物像が出来上がるかと言うと、人前ではさらさない内面を含めれば普通に存在するでしょうが、リアルの私達が、漫画を読んでいるような神の視点を持ちえない以上、人前での態度や発言のみで我々は他者を判断せざるを得ない訳であり、そこを踏まえると天野エリカは中々に矛盾した存在だと思う訳で、だからこそ魅力があるとも思える訳です。

これは主人公の妹である海野幸についてもいくらか共通した部分だと思えるのですが、その対になるのが主人公である海野凪だと思うんですよね。

引用 吉川美希/講談社

基本的に一貫した人物像であるように、少なくとも私には思えるんですよね。極度の負けず嫌いで、勉学で身を立て親に楽をさせたい大食漢。いや、まぁ矛盾した部分が全く無いという訳ではありませんが、『海野凪』と言うキャラクターの中で相反する部分が少ないように私には思えるのです。

 

『そうだ凪! 目を閉じてみろ そして思い浮かべるんだ! おまえの名を呼ぶ 大切な人は誰だ?!』

 こう父親の洋平氏に問われた際に凪の脳裏に浮かんだのは、瀬川ひろに天野エリカに海野幸の三人も顔が浮かんでしまったのです。

 ちなみに洋平氏は、次いでこういいます。

『それがお前の 未来の結婚相手だ』

 このハーレム野郎がと罵られてもしょうがない結果ですね、めちゃくちゃ矛盾しとる(笑)

 けどこれはしょうがないでしょう、だってコレ、ラブコメディだから三角関係とか四角関係にしてドタバタしていないと、読者が面白くない(汗)

 まぁ、こういう具合に矛盾した所もありますが、これは作者の吉河先生によって、我々読者が喰いつくようにしているので、そこを突いてもあまり面白く無い―無いんですが、一応、重箱のスミを突くような形になりますが、矛盾した点もあります。

 では、ここまで主人公である海野凪と、ヒロインの天野エリカの矛盾点に対するスタイルとでも言うべき形をまとめてきましたが、今日のお題である瀬川ひろはどうでしょう?

引用 吉川美希/講談社

 5月2日生まれのおうし座 血液型はO型 身長162センチ。

 空手三段であり、御朱印集めが趣味。男女問わずの人気者で『天然』。

極度の負けず嫌いなのは主人公と共通しているのですが、1,2巻の頃はこの『とにかく負けず嫌い』というポイントがこれでもかとピックアップされていた印象があります。

しかしですよ、ここまで『負けず嫌い』がピックアップさせておいて、

『海野君 私の運命変えてみせてよ』

 ではなくてですね、そのちょっと前の台詞になるのですが、

引用 吉川美希/講談社

『私は生まれた時から 運命の奴隷みたいなものだから』

 えー、テストやれば学年一位で空手三段で学校のマドンナ的な人が、こういう敗北主義者的な発言をするのはいくら何でもキャラが崩壊してしまうと思うんですがどうですか吉河先生?

 いや、物語の構造的にハーレム的な展開にして三角、四角関係にするための布石であるのはわかるんですよ、だから『私の運命変えてみせてよ』はオーケーなんですが『運命の奴隷』はいただけません。

 負けず嫌いキャラが、矛盾を通り越して崩壊してしまいます(爆)

 こうして数日カッコウの許嫁のキャラやストーリーを考察していると、私は単行本も購入してキッチリ作品を読んでいるはずなのに、読んで書いて考察して、読んで書いて考察するたびに、あれ? 私、このカッコウの許嫁って作品好きなはずだよね? という疑心暗鬼に陥ってしまいます。

 そもそもが瀬川ひろも天野エリカも海野幸も魅力的な女の子であることには異論は無いんですが、その三人にぼっちである海野凪がチヤホヤされるのが、気に食わないのだろうかという邪推まではじめてしまいそうです。

 いや、ひょっとしたら私は瀬川ひろと言う、海野幸言う所の『完璧超人』が嫌いなのかもしれません。

天野エリカは基本アホの子ですし、海野凪は陰キャで友達がいない、変態の素養があるのか時々裸になる、虫や爬虫類などが大の苦手、海野幸はかなりのブラコンで、という具合に欠点がパパっといくつかあがってくるんですが、瀬川ひろの場合は……天然、って書かれていますが、天然っぽいエピソード、ありますかね?

どうにも自分、天然と言われても天野エリカがお嬢様育ち故の天然エピソードを晒したり、海野凪が堅物故の天然発言かましたりという印象は残っているんですが、瀬川ひろの発言やエピソードで『天然』なものって、何かあったでしょうか? 私としては、『天然』という設定以外、見つけられませんでした。

まぁ、七巻で削り節から味噌汁作ろうとでも言うのか、一生懸命削ろうとしたものの納得いくものが出来ず、昼になっても削り器の刃を研ぐというエピソードはありましたが―これは、凝り性というか、完璧を求め過ぎたが故の失敗かと思うので、天然と言うのとは違うと思いますし。

 

 このキャラクター、欠点らしい欠点が見当たらないんですよね。

 欠点ってある意味その人物の長所たり得る部分でもあるのですが、瀬川ひろの場合、それがパッと出てこないのです。

 完璧超人という個性は手に入るのかもしれませんが、こういう方が友達にいると非常に頼れるとは思いますが、恋人としてはさてどうか? 

 男の器が大いに試されるキャラクターなのが瀬川ひろなのではないかと思います。

 結論、私の器、ちっさっ(ショック)

 私の器の話は置いておくとして、欠点が無いキャラというのは、読者にあまり好かれないのかもしれないな、と瀬川ひろの考察をしていて思った次第です。

 しかし、『私は生まれた時から 運命の奴隷みたいなものだから』という、敗北主義者のような発言をしていた瀬川ひろですが、57羽目にして親に反抗というか『戦争』を仕掛けることになりまして―少しばかり、反抗期と言う名の人間っぽさが出てきた気がします。

引用 吉川美希/講談社

 こういう完璧超人系ヒロインの瀬川ひろの声優は東山奈央さんが演じることが決定しています。

 どういう声優さんかと言うと、自身の声を評して『特徴的じゃない』そうで―動画で、東山さんが演じていたキャラをまとめていた動画があったので、聞き比べてみたんです。

 すいません、私にはどのキャラクターもほぼ同じに聞こえました……まさに特徴が無いと言うか、主人公とかヒロインと言うより、モブキャラのような声と言うか―おそらく、声優業としてはハンデなのかもしれませんが、「色が付いてない方が色々な役に挑戦できる」と前向きに捉えているそうで、この辺り、凄いハングリー精神をお持ちの方みたいです。

 完璧超人の声を演じる、特徴の無い声―どういう演技になるのか今から注目したいと思っておりますので、東山奈央さんが演じる瀬川ひろ、期待しております。

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