今日は山本崇一郎先生著の『それでも歩は寄せてくる』の主人公である田中歩の後輩、香川凜に焦点をあてて考察したいと思います。
引用 山本崇一郎/講談社
香川凜ちゃんが初登場したのは結構遅く、第6巻の第70局が初登場となります。
しかし、その名前の通り、凛としたイメージのある凜ちゃんでありますが、確かに初登場時はカッコよかったんですよ。
うるしセンパイが新入生相手に将棋部員を獲得すべく勧誘するものの芳しくなく、どうすればいいのか悩んでいる間にチラシが風で吹き飛んでしまい、それを見事にキャッチ。
引用 山本崇一郎/講談社
うるしセンパイの第一印象は、
『キレイな子だなぁ 動きも 顔も』
という、まさに名前通り凜とした娘さんだったんですよ(泣)
そ、それが、それが、うぅぅぅぅ(泣)
まぁ、私の反応を見ただけでも、凛とした娘さんのように見えて、実際はそうではなかったのだろう、と『それでも歩は寄せてくる』を読んでいない人でも見当がつきそうですが……
いや、兆候は第71局からあったんですよ。
香川凜ちゃんは、歩が高校に入学しても剣道を続けているものだとばかり思っており、歩とタケルが入部している部にそのまま入部しようとしたんですが―いや、ひょっとしたらこのそそっかしさから見ても、第70局の最後の方からすでに、ちょっと残念な子という雰囲気は漂っていたのかもしれません(汗)
でもまさか、読んでいる当時はそんなこと、夢にも思わなかったんですよ。この凛々しいお顔と口上が揃って、まさか、ねえ?
香川凜ちゃんは、自分が剣道で歩に勝ったら、将棋部を離れ、剣道部に戻って欲しいと決闘を申し込むのですが―以前から憧れていた歩に、『風林火山』の『山』の異名まである歩を相手にするのはさすがに分が悪かったらしく―男女の性差もありますし、歩の勝利に終わり、歩とタケルが将棋部を離れることは無かった訳ですが―
タケルが、剣道部に行った方がいいんじゃないのか、という質問に、凜ちゃんは不思議そうなお顔で告げました。
引用 山本崇一郎/講談社
決闘で負けたから、将棋部に入るとか―うーん、古風な考え方や。
まぁ、歩が負けていたら剣道部に戻って欲しいという条件下で戦った訳ですから、自身もそれ相応のリスクをしょわないと筋が通らないと考えたのであれば、個人的には実に私好みの考え方ではあるんですけどね(笑)
まぁ、凜ちゃんの残念さは第72局から開放されます(オイ)
まず、部長であるうるしセンパイを、部長とは呼ばず『八乙女先輩』と呼びます。
入部するのが嫌だったのかと心配するうるしセンパイですが、そこはサッパリとした気性をしているのか凜ちゃん、未練も後悔もないとキッパリ。
ここは間違いなく、凜ちゃんの美点でしょう。
ただ、そうなると、【てことは……単に部長って認められていないだけ?!】
とうるしセンパイが懸念していますが、この疑問はそれほど時間をかけずに解き明かされます。
凜ちゃんは小さい頃に将棋教室に通っていたことがあり、対戦した歩を一蹴。すると、凜ちゃん、不敵な笑みを浮かべてこう告げたのです。
『私の勝ちですね……田中さん』
先程まで田中先輩と呼んでいたのに、『さん』付け。
引用 山本崇一郎/講談社
歩曰く『相手の実力が自分より上か下かで……露骨に対応が変わるんです……』
そりゃうるしセンパイも、野生動物か何かなの、と驚いちゃいますよね(汗)
まぁ、凜ちゃんは将棋部の中では強い方なのでしょうが、最初の方こそ凜ちゃんの目が放つ威圧感のせいで致命的なミスをしてしまいますが、歩のおかげで冷静さを取り戻してからは、うるしセンパイの完勝。
結果、
引用 山本崇一郎/講談社
コレです(汗) もうホント、野生動物みたい(汗)
歩のことも先輩と呼んでくれないと『部長』からお願いしても、
『それはムリです 私の方が強いので』と言う始末(汗々)
第74局ではうるしセンパイのパシリをしたい、ということで『私……パシリます!』と告げ、うるしセンパイを大いに困惑させます。
中学の剣道部時代の経験から、凜ちゃんがまた『パシります』と言ってうるしセンパイを困らせているのではと気になった歩が割って入りますが、『オレがパシりますよ センパイ』と言い出してうるしセンパイをさらに混乱させる。
剣道部というのはパシるのが伝統なのか(絶対違う)
他にも残念ポイントはありまして、とにかく食べるんです、この娘(マジ)
7巻の第81局では、昨日、演じる声優さんが誰かを予想したマキさん(未だに名字がわからない)がお土産で饅頭をくれたんで、将棋部の面子で食べるのですが、この時の凜ちゃんの顔が、もう……
引用 山本崇一郎/講談社
『凜は食べるのが大好きなんですよ』と歩が暴露。
それだと私は食いしん坊みたいじゃないですか、と照れるのは大変可愛らしいと思いますよ、凜ちゃん(笑)
腹ペコ万歳、食いしん坊万歳!
ちなみに、当初部にはうるしセンパイに歩、凜ちゃんの三人がいて、お土産の饅頭は四つあったため、一つ余っていた状態。
あまりの食いしん坊ぶりを見かねたうるしセンパイと歩が、残った一つを食べても良いと勧めてくれたので、残る一つを食べようとした時に、タイミング悪く角竜タケル君が部室に来てしまい、残った最後の一つをゲット。
その時の凜ちゃんの反応がこちら!
引用 山本崇一郎/講談社
腹ペコ万歳、食いしん坊万歳!
第8巻の第103局では、これまで通りの食いしん坊万歳エピソードが全開になっており、テンション高めで、
『肉! 大きい肉がいいです私!』と肉食女子ですよ完全に(笑)
『凜は食べ物のことになるとテンション上がるな』と歩に言われ、赤面するのもカワイイです。
食いしん坊みたいに言わないでくれ、と告げた所、歩から『……じゃあ肉まんということで』と返された時に、『2個でお願いします』間髪入れずに要求するのも腹ペコ万歳、食いしん坊万歳ですね。
先月発売された第9巻では、歩がうるしセンパイに4枚落ちで勝つために特訓してくれた凜ちゃんへのお礼として、肉(ステーキ)をごちそうしていますが、おかわりで500グラムを注文しています(笑)
凜とした雰囲気に反する、こういう残念ポイントがある凜ちゃんですが、他にある特徴としては耳が良い、という点があります。
この聴覚の鋭さゆえに第87局では色々と考えた結果、うるしセンパイを暴走寸前にまで追い込んでしまう原因の一端を担ってしまいます。
凜ちゃん、全然悪く無いのにね(笑)
他にも、寒いときは3倍速でラジオ体操を行う、とかいう結構なと特殊能力を持っていたりします。確かに身体、あったまるでしょうけど、相当リズム感よくないと上手くできないと思うの、コレ。
引用 山本崇一郎/講談社
うん、歩の三倍速ラジオ体操は、うるしセンパイの反応が普通だと思う、確かに怖いよコレ。アニメ化されたらこれ、一種のホラーだよ(汗)
ちなみに、うるしセンパイが修学旅行に行っている間は、凜ちゃんが歩の特訓相手になってくれまして、色々な対策や傾向を、歩のために勉強してくれており、ここは歩がいう通り、
『頑張り過ぎてしまうところがあるからな』という、長所にも短所にもなる点があります。
タケル君にも『頑固だけどまっすぐでいいやつだよな 凜は』と評されており、何事に対してもストレートな所が気持ち良い人物なのです、凜ちゃんは。
あ、あと凜ちゃんは好きな人がいるのですが―そこは、ちゃんと本作を読んでもらいましょう、全部ネタばれするというのも味気ないですし―ここまで読んだ方であれば、見当はつくでしょうし。
さて、元剣道部で、凜とした空気を持ちつつ、野生動物みたいに相手の強さで態度が露骨に変わる、食いしん坊万歳な娘さんである凜ちゃんの声優は誰がいいのか。
いや、これはもうFateが大好きな私は、『元剣道部』『凜とした空気を持ちつつ』『食いしん坊万歳』と言う点から、セイバー役を担っていた川澄綾子さんしか該当者いねえだろうという、個人の趣向全開の予想をさせて頂きます。
あの騎士王ボイスで『肉! 大きい肉がいいです私!』と叫ばせてみたいんだーー!
追伸
香川凜の声優さんは、三川華月さんでした。
香川県出身の声優さんが香川凜の役を演じるのは、ちょっとした縁があるのか、無いのか?