人には過去があるから、現在がある……過去がなければ現在には到達できず、ましてや未来など有り得ぬもの。
いきなりポエムみたいなこと語りだしてどうした、と思われるかもしれませんが、いえ、何となくそれっぽい序章文(プロローグ)を書いてみたくなっただけです。
何せ、今回紹介するお好み焼き屋の店長さんは、作中でうるしの過去を歩に語ってくれる、貴重な方なので。
引用 山本崇一郎/講談社
うるしの過去を店長さん以外で語ってくれたのは、9巻で初登場したうるしの母だけですね。
しかもうるし母の場合、夕泣きがひどかったとか、おねしょは×歳までしていた、といううるしセンパイにとっては赤面どころの話ではありませんので、まだお好み焼き屋の店長さんの話しぶりの方がマシだったかと。
さて、話をお好み焼き屋の店長さんに戻しましょうか。
一昨日、昨日と紹介したうるしの父、うるしの母同様、お好み焼き屋の店長さんもこれまで名前が登場していません。
よって、登場人物によって彼の呼び名が変化します。
ヒロインであるうるしは『店長』と書いて(おっちゃん)というルビが振られています。おっちゃん呼びからしても、交流があることが匂わされています。
引用 山本崇一郎/講談社
歩はそのまま『店長』と書いて(てんちょう)と呼んでいます。まぁ歩は9巻時点でそれほど会ったことがありませんから、そういう呼び名になるでしょう。
香川凜もこのお好み焼き屋に連れられて行った事がありますが、店長さんには挨拶をしたシーンがありますが、呼びかけたコマが存在しませんので、呼び名は不明。
うるし同様、店長にうるしの祖父と交流があったということは、当然うるしの祖父の息子である、うるしの父とも交流があった訳で、彼は『おっちゃん』と読んでおります
そして、うるしの母なんですが、うるしの父との関係性でお好み焼き屋と縁があるのかと最初は思っていましたが、彼女もうるしの父と同様『おっちゃん』呼びなんですよね。しかもお好み焼きを注文する際も『スペシャル4枚』とメニュー表も見ずに告げております。ひょっとすると、彼女はうるしの父と結婚してからではなく、付き合い出す前からこのお好み焼き屋と縁があり、ここでうるしの父と知り合ったゴールインした可能性もあるな、ということも妄想してしまいました。
いや、あくまで私の妄想ですからね? 普通に考えればうるしの父との関係性によってこのお好み焼き屋との交流がうるしの母にも生まれた、と考えるのが妥当なところでしょうから。
このお好み焼き屋の店長こと、おっちゃんが『それでも歩は寄せてくる』の作品内に初登場したのは第4巻の第53局。部活の後輩ということで、歩をお好み焼き屋に連れてきたのが最初の登場になります。
頭髪がやや後退し、頭髪の色は白、豊かな口ひげと顎ひげを有し、濃そうな眉毛に猛禽類を連想させる吊り目と、中々に威圧感のあるキャラクター。初登場時はお好み焼き屋を開店している最中だからでしょうか、黒の前掛けをしており、お客さんがいなかったからか新聞を読んでいる最中でした。
引用 山本崇一郎/講談社
背が高いうるしの父も、その顔面も相まって威圧感はありますが、さてどちらの方が迫力があるのか……
歩のことを紹介されると、すぐに『ああ 君が うるしから聞いてるよ』と告げられ、普段からうるしセンパイの話を聞いてくれている人なんだろうなと想像力がかきたてられます。
『ここだと将棋も指せるしな』と折り畳み式の将棋盤を取り出すうるしセンパイに対し、
『はぁ また将棋のたまり場にされんのか……たまったもんじゃねーなー 食ったらすぐ帰れよ』
と何とも居心地の悪くなる発言をする店長(おっちゃん)
歩が困惑顔になるのに対し、うるしセンパイは笑顔。
歩『迷惑がられてませんか……』
うるしセンパイ『大丈夫だって 人相と口が悪いだけだ それより早くやろう! 久々だ!』
テスト明けで将棋を久々にやれる喜びからか、うるしセンパイは歩の危惧はまともに受け取りません。
ここでうるしセンパイから、うるしセンパイの祖父と店長(おっちゃん)が友達だったと語りますが、
引用 山本崇一郎/講談社
んー、この反応、店長(おっちゃん)、ナイスツンデレ(オイ)
まぁ、朝から晩まで店で将棋されたら、腐れ縁だと言いたくなる気持ちもわからなくはありませんが(笑)
うるしセンパイ、祖父が亡くなってからもこのお好み焼き屋に通ってはいましたが、将棋は対戦相手がいないと出来ないものですから、このお好み焼き屋で将棋を指せるのは、嬉しかったのでしょう。
まぁこんな笑顔見せられたら、歩でなくとも『食べた後……少しの間でいいんで将棋を指してもいいですか』と言いたくなりますね。
引用 山本崇一郎/講談社
それに対するツンデレの回答は『フン ダメだね 食ったら帰れ ほら焼けたぞ』
と言って出されたお好み焼きがこちら。
引用 山本崇一郎/講談社
デカい! これ何人前のお好み焼きなんだよ店長(おっちゃん)
食っている間はいていいぞ、という店長(おっちゃん)の台詞と、『な 口が悪いだけなんだよ』と言う、うるしセンパイの言葉も納得のツンデレぶりです。
7巻の第85局で、香川凜ちゃんをこのお好み焼き屋に連れてきた際にも、食ったらすぐに帰れ、という旨の言葉を告げられます、ツンデレ(爆)
第85局では、歩から店長に、うるしセンパイの小さい頃の話を聞かせて欲しいと言われると、出てくる出てくる(笑)
小さい頃のうるしセンパイ、カワイイんで、内容が知りたい方は第七巻の購入を是非(PR、PR)
うるしの祖父と友達だったため、八乙女家そのものとも交流があり、うるしの父のこともよく知っているので、うるしセンパイ、話をぶった切るためにわざと飲み物をこぼしています。
引用 山本崇一郎/講談社
そして、香川凜ちゃんが、あのビックサイズのお好み焼きを、ほぼ一人で完食してしまうという、偉業を達成してしまうのもこの第85局です(笑)
引用 山本崇一郎/講談社
さすがに完食されるのを想定しなかったのか、店長(おっちゃん)、うるしセンパイが、自身の過去の話題を語らせるのは恥ずかしいこともあり、店の邪魔になるから帰ろうと言われた時も、『いや 別にあれは……』と止めかけており、やっぱり良い人! ツンデレです、店長(おっちゃん)!
三回目の登場が、9巻の第119局、四回目が第121局。
まぁでも、この二回は一連の話の中で第118局から4局で1話構成のお話になっていますので、一回のカウントで良いのではと個人的には思っています。
で、この回で、うるしの父親が、かつて将棋のプロを目指していたことが、店長の口から語られており―
うるしの父とうるしの母の考察でも、色々とこのお話は分析したり推測していたりするので、よろしければそちらのページも覗いてみてくれればと。
さて、頑固そうな外見で口が悪く、しかしツンデレな店長の声優さんは誰が良いのか。
安本洋貴さん、細谷佳正のどちらかに。
どうして、と問われると……ユーチューブで、お二人が敬老の日の記念かなんか、おじいちゃんボイスで収録した動画がありまして……このボイスで店長(おっちゃん)やらせてみたら面白い、と思ってしまったんですよね(汗)
二人も老人ボイスで頑張ってくれてますが、個人的には安本洋貴のおじいちゃんボイスの方が好みですね。
ただ、二人とも息切れの演技でおじいちゃんっぽく声を聞かせていますが、実際にお年寄りの役をやってくれと監督に言われた際にはどういう演技をするのか正直興味津々です、この息切れおじいちゃんボイスでやるとは思わないんですが……やっても面白そうなんで、是非(笑)
追伸
店長の声優さんは、てらそままさき氏が演じています。
あぁ、アニメ見たかったなぁ、ABEMAで放送してくれよぉort