さて、昨日までで『可愛いだけじゃない式守さん』に登場する、10巻までに登場した名前の存在するキャラクターについての考察は終わりましたが、作中でも大きな謎を孕んだ問題かいくつか解明されておりません。
それはズバリ、式守さんの名前(フルネーム)ってなんなの? という大問題です。
引用 真木蛍五/講談社
どこが大問題なのと思われるかもしれませんが、ラブコメの主人公とヒロインの下の名前が、フルネームが10巻も刊行されているのに未だに判明していないって結構な問題だと私は思いますよ(マジで)
しかもこれがギャグじゃなくて、恋愛漫画で、ですよ? 異例でしょ?
真木蛍五先生へのインタビューでは、『作品の大きな山場となる回では出したいと思っているので、それまで楽しみにしていただければ!』とコミスぺの取材で明かしています。
大きな山場、ですか。10巻の巻末に、第100話で大事件発生と書いてありますので、まずは1月7日の11巻の発売日を待ちたいところですが、マガジンポケットを見ておらず、紙の漫画で見ている身としては予想というか、考察をしてみたいところ。
という訳で本日のお題は、式守さんの名前(フルネーム)を予想してみる、です。
これまで書いてきた通り、ヒロインである式守さんの下の名前は、これまで一度も登場していません。
引用 真木蛍五/講談社
登場しているのは、『式守』『式守さん』という名字呼びと、猫崎さんが式守さんを呼ぶ際に用いる『みっちょん』というあだな、そして和泉夫妻が用いる『みーちゃん』というあだ名。
猫崎さんと和泉夫妻が用いるあだ名から考えると、『み』がつく名前であることは確定であり、和泉夫妻が『みーちゃん』と呼んでいるので、『み』ではじまる名前と考えて良いでしょう。
『みっちょん』だって、『み』から始まる名前だと考えて良いじゃないか、と思われるかもしれません。
が、昔々、電撃文庫というライトノベルで『ダブルブリッド』という人気を博した作品があったんですが、その登場人物の一人に山崎太一郎、という青年がいたんですよ。
この作品について語り始めると丸々一記事以上使ってしまうので、色々省略しますが、彼のことをあだ名で呼ぶキャラクターが数名いるんですよね。
ある女性は『太一くん』。まぁ、太一郎ですから、順当な呼び名かと。
ある少年は『ザッキー』名字がヤマザキなので、アリですねこれも。
しかし、作中屈指の長広舌を誇る大田真章という人物は、あろうことか彼を『一郎君』(いちろうくん)と呼ぶんですよ。
普通ならこんな略し方しねえ、というケースも無い訳では無いんですよね(汗)
そういった前例を考えると、猫崎さんの『みっちょん』呼びだけでは『〇〇みち』という呼び方の名前の可能性もなくはない訳であり、そういう意味で、和泉夫妻の『みーちゃん』呼びは、式守さんの名前が『み』で始まる可能性を非常に濃くしてくれたと思います。
それに、ぶっちゃけ仲間内でそんな奇をてらったあだ名なんてつけないでしょう。
大田真章のような、わけわからん思考しているキャラ、『可愛いだけじゃない式守さん』には誰も登場しないし(滝汗)
ちなみに『ダブルブリッド』、個人的には名作と断定しますが、ラブコメでも恋愛漫画でもなく、ど、がつくくらいシリアスである上に、登場人物が結構死ぬラノベですので、興味を持ったとしたら、ライトノベルではありますが、重めのお話しであることはご了解下さい。
話を『可愛いだけじゃない式守さん』に戻しましょう。
前述の理由から、私は式守さんの名前、フルネームが『み』で始まると仮定して考察を開始しました。
続いて、式守さんのご両親がどう名付けたかを考えようと思いましたが、作中ではお母さんである式守雅さんしか、10巻までには登場していません。
引用 真木蛍五/講談社
さらには、式守家には、式守兄が登場していますが、こちらも名前は未だ不明(12巻で式守兄の名前が判明。式守藤(しきもり ふじ)とのこと。やはり一文字……)。
手がかり、と言えるような材料にはなり得ませんので、視点を変えてみることにしました。
作中の親の視点からわからぬのなら、この作品の産みの親である真木蛍五先生の視点に立ってみよう、と。
真木先生の視点、と言ってもピンとこないかもしれませんが、作中の登場キャラは容姿から性格から何から何まで真木先生がデザインされたもの。
ならば、登場キャラを探ることで何かしらの共通項が得られるのではないか、と思いまして……ありましたよ、共通項。
人間関係から、名前を探ってみることにしました。
引用 真木蛍五/講談社
和泉くん、式守さんのグループには、二人に加えて三人の友人が存在します。
和泉くんの兄貴分、式守さん不在時の、和泉くんの不幸体質を身をもって守ってくれる頼れる守護者(オイ)、犬束 秀(いぬづか しゅう)
バレーボール部に所属している、運動神経抜群、人懐っこい泣き上戸、猫崎 享(ねこさき きょう)
時々液状化したり、マッスル化したり、ゲゲゲの鬼太郎のような何らかのセンサーを備えたりと、マスコット化が激しい、表情筋が死んでいる少女、八満 結(はちみつ ゆい)
以上の三名との交流が作中でのメインディッシュの一つでしょうが、全員、三文字の名前なんですよね。
つまり、式守さんの名前も、三文字、名は一文字の可能性が高いのでは、と睨んでいます。
もっとも、作中で二文字の名の登場キャラクターが存在しない訳ではありません。和泉くんのご両親はそれぞれ『許子』(もとこ)、『明貞』(あきさだ)と二文字ですし、鯨 里歌(いさな りか)さんもそうです。
にもかかわらず、式守さんの名は一文字の可能性が高いと判断したのは、式守さんのキャラクター性、性格です。
引用 真木蛍五/講談社
勉強が出来て、運動も出来て、少々犬束くんに甘えて嫉妬してしまうシーンもありますが基本的に温厚、寛大、そこらの男よりよっぽど外見も中身もイケメンときています。
何より、不得意なことであっても克服するというその精神性。
あの優しい和泉くんが、味蕾が吹き飛んだかと錯覚するくらいの壮絶な味、と評するほどの料理から、世辞抜きで、美味しい、という感想を抱かせた努力を考えると、こういった精神性も反映された名前がつけられているのではないかと思うんですよね。
こう考えた理由は、友人三人の名前。
犬束秀、猫崎享、八満結。
犬束くんは、名がまんま彼の努力を表しています。獣医を目指している彼は、下の弟か妹かは不明ですが、彼等彼女等のために、自身の学費を工面すべくアルバイトを二つ掛け持ちしています。
3巻でのオマケイラストでも、勉強会をした後の愚痴を見る限り、彼の紹介文にある『サボりが嫌い』がよく反映されており、『秀』という文字は精神性を現わしているのではないかと。
逆に猫崎さんは『享』。
享には、①うける。うけいれる。「享受」
②もてなす。ふるまう。「享宴」
③供える。ささげる。「享祭」
④あたる。かなう。
という意味があります(以上、GOO辞書より抜粋)
集団行動をする時は、女子グループだけの時も、この2年4組のメ面子の時も、猫崎さんがムードメーカーとなっており、もてなす、ふるまう、という意味合いが強いキャラクター。
まぁ、勉強とか好きな女友達と付き合っている際は、享楽的な面(快楽的な事柄を好む、という意味)が出ています。
八満は犬束、猫崎の二人と比べると特殊な立ち位置。
そもそも犬束秀、猫崎享、という正反対を示すような姓であるのに対し、八満の姓は、動物の縛りもなければ、秀、享という二人の名に何かしらの関連性があるようには一見すると見えません。
が、『結』という漢字はそのまんま、結ぶ、という意味があります。
人見知りな彼女が人と人とを結びつける、ということは作中ではありませんが、運動会のエピソードを思い出して下さい。
基本的に無気力な彼女【だからこそ】、『今回はお前たちが喜ぶから 疲れたってそれは私の為だ』と和泉くんに語っており、こういう彼女がチーム内にいたからこそ、他の四人は『結束』して頑張ったと思うんですよね。
彼等彼女達の性格、性質を踏まえると、式守さんと和泉くんの名前も性格、性質を踏まえたものであり、三人に共通して式守〇、和泉△、という具合に、一文字でおさまるのでは、と考えた次第です。
では、そんな式守さんの名前、候補は無数にあったんですが、私の予想では、『道』と書いて『みち』と読んでみました。
我が道を貫き通す式守さんの性質に合っている名前だと思いますし、こういう真面目そうな名前、式守雅さんが名付けそうという設定上の理由、『みっちょん』というあだ名から踏まえても、『道』(みち)であっても、おかしくはないよな、と考えた次第。
響きからして、可愛いだけじゃなくてカッコいいもの、式守道。
さて、式守さんの名前がいつ発表されるのか、楽しみにしていましょう。