リコリス・リコイル 吉松シンジの声優及び作中での各組織との関係を銃取引事件絡め考察

リコリス・リコイル

今回は、個人的に作中で悪役ムーブをかましているミスター・ダンディこと、吉松シンジ氏の考察を、各人物、各組織との関わり方を第一話の銃撃事件を考察していこうと思います。

引用 A-1 Pictures/アニプレックス

リコリス・リコイルでは、電波塔事件が作中最大の事件なのにどうして第一話で起こった銃取引事件を引き合いに考察するの? と疑問に思われる方もいると思いますが……

それは、吉松シンジの行動を、七話まで通してみると、悪役めいたその動きが色々と違う意味を持ってくるのではないか、考えたからです。

まず、普段の彼は各国を巡るエリート・ビジネスマン―を装っています。

アラン機関の一員なんですが、この機関の掟である、被支援者とは接触しない、という約束事を彼は破っております。

詳しくはアラン機関の情報をまとめた以下のページからどうぞ。

ミカの旧友として、喫茶リコリコに客として訪れることで、千束と接触しているんですよね。

第二話でも千束との会話でロシアに行っていた旨を千束に語っていますが……ロシア、ねえ。

何でロシアなんでしょうねえ……千束もロシア語を話せる、というのはどうしてなんでしょうねえ……戸籍が無いために学校に通うこともないリコリスは、当然のことながら、海外には行けません。

戸籍が無い=パスポートが造れないんですから。

なのに、ロシア語を千束は話せる、つまり、リコリスはDAの教育によって、ロシア語を習っている可能性が高いんですね。

DAとアラン機関に、この『ロシア』という観点から何かしらの関係性があるように私には思えます。

それを語る前に、まず第一話で起こった重大な出来事である、1000丁に及ぶ銃取引事件について、軽くピックアップしておこうかと。

たきなが左遷されてしまった出来事ですね。

これ、裏で暗躍していたのは吉松シンジでほぼ間違いないでしょうが、一応、銃取引事件がどのようなものであったのかをおさらいしておきます。

あるビルで銃取引がある情報を得たDAは、その取引現場を抑えるために、リコリスを出動させます。

DAは春川フキ、蛇ノ目エリカ、篝ヒバナ、井ノ上たきなを現場に向かわせるものの、エリカが人質に。

そこで作中で最強のリコリスである錦木千束(にしきぎちさとと)の応援を依頼し、万一のためにミカも狙撃銃を携えて待機することに。

ここで問題が色々と発生します。

ウォールナットこと、くるみがDAの中枢をハッキングすることで、通信障害が発生するんですが、そのハッキングを依頼したのは吉松シンジなんですよね。

もう、アンタどんだけ悪役ムーブ好きなんやort

DA本部との通信が途絶した状態で、犯人がエリカ殺害を予告。

一刻の猶予も無いと判断したんでしょうね、井ノ上たきなは鹵獲した機関銃を使用し、独断で機銃掃射します。

引用 A-1 Pictures/アニプレックス

結果、エリカは無事に救出されるんですが、取引されたはずの銃は見つからない、という事態に。

何と、取引は3時間も前に終了していたんですね。

DAの上層部はガセの情報を掴まされた事になります。

加えて、ウォールナットによって、本部にハッキングされたことで通信が途絶してしまう、という二重の重大なミスを犯していた訳ですが、これらのミスを隠蔽するために、たきなが独断でスタンドプレーを行った、という形にし、彼女を喫茶リコリコに異動させる―

銃取引事件の全容がこんな感じです、なお、表向きにはガス爆発として処理されています。

ついでに言うと、このリコリス・リコイルは色々な銃器がでてくるので、そういうのがチンプンカンプンな私は情報を集めるために色々なサイトを訪れるんですが、その中で、第一話の銃取引事件に出てきた、井ノ上たきながテロリスト達に向けていた機関銃がありますよね?

アレ、ロシア製のPKMだそうです。

ソースは、毎度お世話になっているアニメにおける銃関係のサイト様です、この場を借りてお礼申し上げます。

http://mgdb.himitsukichi.com/pukiwiki/index.php?%A5%EA%A5%B3%A5%EA%A5%B9%A1%A6%A5%EA%A5%B3%A5%A4%A5%EB

日本に戻ってきたアラン機関の一員である吉松シンジが、銃取引事件が起こる前に訪れていた国がロシアであり、パスポートを持たず(ここも色々おかしい。何故なら第一話で戸籍を持たない=運転免許証を取得できない千束が原付バイクを運転しています。つまり、偽造免許とか違法な車の運転とかはDAとしてはOKなのに、海外へ赴くパスポートの取得は出来ない……単純にリコリスが海外に行くと脱走される可能性を考慮しているのか?)、海外に出ることがかなわないリコリスが話せる外国語がロシア語であり、銃取引事件の現場にあった機関銃はロシア製のPKM。

なので、DAとアラン機関には何かしらの繋がりがある可能性が高いかと。

リコリス・リコイルに登場する二大組織、DAとアラン機関についての関係性の考察は、ロシア、という一点からはこのようなところでしょうか。

ただ、それが敵対関係なのか、利害が噛み合った味方関係なのかは判然としないところ。

さて、リコリス・リコイルの作中で二大組織の一角であるアラン機関に所属している吉松シンジですが、先述したウォールナットへのDAに対するハッキングを依頼していますが、ウォールナットが吉松相手に色々と探り出そうとした結果、ビルごと爆破という凶行に。

さらには、ロボ太にウォールナットの殺害を依頼しており、もう第二話までの悪役ムーブは素晴らしいものがあります。

ただ、アラン機関の考察でも書いたのですが、第七話で吉松は、ミカにこう言っています。

引用 A-1 Pictures/アニプレックス

【手術後、私はあの娘を君に託した。その意味を忘れたのか、ミカ。

何のために千束を救ったと思ってる? あの心臓だってアランの才能の結晶なんだぞ】

先程書いた通り、DAとアラン機関の関係性は現時点ではわかりません。

引用 A-1 Pictures/アニプレックス

しかし、吉松シンジ個人としては、DAと敵対的な行動をとる真島を支援しており、銃取引事件で得た武器類を彼に供給していると思われます。

なので、吉松シンジ個人としては、DAは敵対しても構わない存在だと考えられます。

何故『敵対』ではなく『敵対しても構わない存在』なのかと言うと、そこには彼が支援している錦木千束が関係してくる、と私は推測しています。

電波塔事件で錦木千束を知ったのか、あるいはそれ以前から彼女の存在を知っていたのかはわかりませんが、その『殺しの才能』を活かすべく、千束を支援しています。

その後、千束に関する何かしらの情報を得たのか、あるいは千束がちゃんと『殺しの才能』を発揮しているか気になったのか―経緯は第七話時点ではわかりませんが、千束が『殺しの才能』を十全に発揮していない情報を、吉松シンジはつかんでしまったんでしょう。

なので、それが真実か否かを見極めるために『銃取引事件』を起こしたのではないか、と思われます。

ここで、千束が才能を発揮すれば、ガセネタだったと確認出来るので、それはそれで良し。

真実であれば次の一手を、真島を使って打つ―そういう段取りだったのではないでしょうか。

引用 A-1 Pictures/アニプレックス

しかし、吉松シンジ的に、千束が才能を発揮していないのはマズイことで、さらにはウォールナットに懐を探られる、という嫌な誤算もありましたが、逆に、嬉しい誤算も一つあったのではないでしょうか。

それは、井ノ上たきなです。

必要とあらば、機銃掃射を用いてでも相手を殲滅するその心の在り方が、錦木千束に、『殺しの才能』を発揮する好影響を与えてくれるのではないか。

そう思ったからこそ、吉松シンジは彼女に、第七話で『期待している』と告げたのではないでしょうか。

あの射撃能力も怪物級の見事なものですが、多分、吉松シンジはそこには注目していないんじゃないかな。

うん、こうやって書いていると、銃取引事件の面子に井ノ上たきなが入っていたのも、吉松シンジの影響があった可能性を否定できないかなぁ……

その辺りは現段階では推測できませんが……なんでわざわざ、吉松シンジはこんなことをしているのか。

それは、第五話で、寝たきりの入院患者を何者かが利用した架空の人物、松下を介したやりとりで考察できます。

サイレント・ジンを殺害はしないと千束が松下に告げた際の言葉ですね。

『何を……千束……それではアラン機関は、その命を……』

この後、『あの男を使う計画を進めてくれ』という発言が出てくるんですが、この発言と、松下さんの発言が、吉松シンジのものである、と確定はしていませんが(該当シーンでは顔を晒していないため)、彼の声、及び秘書の声、状況的に吉松シンジの発言である可能性が高いため、これらの発言が吉松シンジのものだと仮定すると……吉松シンジの所業が、まるで違う意味に変わってしまいます。

ええ、まるきり違ってきます。

一話と二話の悪役ムーブから想像すると、千束の才能を悪用すべく、殺人を促しているように思えますが、この松下発言から推測するに、アラン機関は才能を発揮できない、しない人物には援助を取りやめるのではないでしょうか?

人工心臓を与えられた錦木千束への援助を取りやめる=人工心臓の停止、ということになってしまいます。

アラン機関がどんな組織かはわかりませんが、DAと比べても非人道的な面があることは否めない組織でしょう。

何せ、真島に銃器を提供しているのもアラン機関に所属する吉松シンジであり、さらには彼を探ろうとしたウォールナットを殺害しようとしています。

なので、人工心臓の鼓動を止める、というのは有り得ない話ではなさそうです。

人工心臓を止められないようにするため、吉松シンジは悪役ムーブをかましてまで、千束に殺人を促している、という背景が存在しているとなると―

どうでしょう、吉松シンジの所業が、まるで違う意味に変わってきませんか?

そんな吉松シンジの声優さんは上田燿司さん。

個人的には、ブギーポップは笑わないのスプーキーEのイメージがあります。

多分、リコリス・リコイルで一番キャラの表裏が激しく、第一話視聴時点での心情と、最終話を視聴した後での心情が逆転するのではないか、と思えるようなキャラになるのでは、と先述した考察から推測していますので、上田燿司さんの名演に注目です。

追伸

第十話が放送されたことで、銃取引事件の千丁の銃がどのように使われたかが明示されました。

……でもさぁ真島さん、そんな雑に拳銃を街中に置いても、作中のような事態にはならないと私は正直思うなぁ(汗)

そしてヨシさん、私は千束を『最強の殺し屋に育てる』発言を聞いても、千束同様に信じますぞ。

悪役ムーブをかましているだけで、何かしらの真意があるのだと……

正直、キツイなぁとは思っていますが。

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