本日は、正直不動産に出演される俳優さんの予想ではなく、不動産取引で現実に発生することが起こり得るケースを、漫画を通してちょいと勉強してみようか思い、このような記事を書いてみることにしました。
題して、正直不動産で学ぶ旗竿地と再建築不可物件。
引用 大谷アキラ 夏原武 水野光博/小学館
不動産に詳しい方なら、旗竿地も再建築不可物件もご承知でしょうが、ここはマニアックステーション。主に、漫画やラノベから、アニメ化、ドラマ化された作品についての情報を主に取り扱っているブログです。
なら、当ブログを見ている方からすると、耳馴染みの無い単語かとは思うんですが、何せ正直不動産が現実に根差した漫画ですので、現実に起こり得る可能性がある以上は、ドラマを見ながら、あるいは漫画を見ながら疑問に思って調べることもあるのではないかと考え、執筆した次第。
この旗竿地と再建築不可物件、という単語は、正直不動産では第37直 再建築不可物件で登場してきます……それ以前に出ていないよね?(汗)
このお話しで、吉祥寺の近辺で中古戸建て(中古の一軒家)を購入したい、というお客様が現れるのですが、永瀬の話では、
『吉祥寺は土地が高く、築30年の1SLDKの戸建てでも4500万程度します。吉祥寺駅から15分程度離れても、築50年でリフォーム済みの戸建てが、2LDKで4000万ほどですね』
と話している通り、現実的にはかなり難しい条件の模様。
これを、月下が頑張って物件を探してくるのですが、その物件が旗竿地だったのです。
引用 大谷アキラ 夏原武 水野光博/小学館
条件としては吉祥寺駅から徒歩12分、築30年の2階建て、2SLDKで2800万の物件で、旗竿地。
永瀬も、掘り出し物、というくらいには良好な物件で、お客さんが退職金の前払い制度を利用することで、予算が3200万まで上げることが出来た、という要因も手伝って、契約の締結のためにお客さんと内覧に行く、というところまではこぎつけたのですね、
ここで出てくる旗竿地、と言うのがどういうものかと言うと、上記の絵のような感じですね。文字通り、旗が竿にかけられて立っているような土地。
路地状敷地(ろじじょうしきち)、袋地(ふくろち)という名称でも呼ばれおり、他にも専通(せんつう)、敷地延長の土地、敷延(しきえん)、旗竿状の土地、とまぁ呼び名は色々みたいです。
旗竿地、と言うのは、先程の図面で見たように、旗がさされているかのような形状をしていることから呼ばれているらしく(違ってたらごめんなさい)、基本的には通常の土地と比べると安く売られているケースが多いのです。調べてみると、通常の価格の1割から2割は安い、とされているようです。
では、どうして1割、あるいは2割も旗竿地は安いのでしょうか?
まず、旗竿地はその形状から周りが建物に囲まれていることが多くなるんですが、そうなってくると日当たりがよくありません……
日当たりがよくないと、リビングを2階に設置することも検討する必要があるでしょう。
また、周りを建物に囲まれていると、日当たりだけではなく、風通しも悪くなります。
土地の形状から考えると、路地上の部分が駐車場で用いることに限られますし、車を二台駐車するとなると、縦列駐車を強いられるケースも出てきます……
他にも、路地上の部分が、お隣さんの1階部分と接していることを考慮すると、お隣さんのプライバシーに配慮して目隠しが必要なことも生じる……
と、こんな感じで色々と問題が生じやすいの旗竿地な訳です。
引用 大谷アキラ 夏原武 水野光博/小学館
が、このお話しで月下が探してきた旗竿地はそれらの問題もクリアしているため、永瀬も掘り出し物、と評価した訳です。
しかし、この第37直のタイトルは『旗竿地』ではなく、『再建築不可物件』……
『建築基準法第43条の規定で、建築物の敷地は、いくつかの例外を除き、幅員4m以上の道路に、2m以上接していなければならないことになっています』
引用 大谷アキラ 夏原武 水野光博/小学館
この永瀬が言っている内容を、接道義務、と言うのですが、図にしてみるとわかりやすいので、下手くそですが図を書いてみました。
字が下手とか突っ込まないでくださいね(汗)
ピンクの蛍光ペンで塗った部分が、旗竿地なんですが、最初の図は2m以上の通路が確保されているため、接道義務は果たしていることになります。
では、こちらの二枚目はどうでしょう?
道路に面している面は2メートルあるんですが、途中が2メートル未満の場合ですね。
端的に回答から申し上げると、このケースですと、接道義務を果たしていないことになります。
つまり、道路に接している通路の部分『だけ』が2メートル以上あったとしても、路地状の部分に、1センチであろうとも足りていない、2メートル未満の部分があった場合、接道義務を果たしていない、ということになってしまうのです。
それで、この接道義務を果たしていないと何が問題になるのかと言うと、それがタイトルの『再建築不可』につながってきてしまうのです。
引用 大谷アキラ 夏原武 水野光博/小学館
リフォームは出来ても、火事で建物が焼け落ちてしまったり、あるいは地震で家屋が倒壊した、津波や洪水で家が押し流されてしまっても、この土地に、建物を建築することは、法律で許されないんですね。
ただ、永瀬が『建築基準法第43条の規定で、建築物の敷地は、いくつかの例外を除き』と言っているように、いくつかの例外はあります。
建築基準法第43条第2頂第2号許可によって、次のいずれかの条件を満たした場合、救済措置を受けられるとのこと。
以下、『知りたいことが全部わかる! 不動産の教科書』著者 池田浩一からの抜粋・引用になります、この場を借りてお礼申し上げます。
・ 敷地の周囲に公園、緑地、広場などの広い空き地がある
・ 敷地が農道や類する公共の道(幅員4m以上のもの)に2m以上接してしている
・ 敷地が建築物の用途、規模、位置、構造に応じて、避難および安全のために十分な幅員を有する道路に通ずるもの有効に接している
月下が頑張って営業したこのお客さんが、どういう決断を下し、どういう経緯を経て、どのような結果に終わったのか……そこまで全部言ってしまうと、完全なネタバレになってしまいますので、明言は避けたいと思います。
結果を知りたい方は、正直不動産の5巻をご購入頂くか、NHKでドラマ化されるのを待って、視聴して頂ければと思います。
正直不動産の話から、ちょいと逸れますが、この旗竿地について、ちょっとしたアドバイスですが……私は東北出身(青森県)の人間ですので、基本的に車が無いと生活出来ない環境下にあったんですよね。
東京のような都会であれば、自動車がなくても生活出来ると思います。現に私も、現在住んでいる川崎では自動車を持っていません。
と言うか、駐車場代が月で2万とか3万とか払えません……都会で車をもつには維持費がバカにならないので……
話がちょいとズレてきたので軌道修正しますが、都会でなければ車を持つ必要が出てくるわけですが、車が必要な環境下で旗竿地を購入されるのであれば、路地状部分を駐車場に考える方は多いと思います。
その場合、駐車スペースのことも考えないといけません。
一般的な軽自動車の車幅で1.48mほどになり、普通乗用車であればさらに車幅は大きくなり、1.7〜1.8m。
これに、私達が通行することも考えると、2メートルあるし、再建築も可能だから旗竿地でもOK、と考えると、後から後悔することになるかもしれませんので、環境によっては路地状部分の幅をもう少し余裕をもって考えた方がいいかもしれません。
個人的なアドバイス書きましたし、後はこの旗竿地と再建築不可物件について、正直不動産で永瀬と月下がどのように扱うのか、今から楽しみに待たせて貰います。