錆喰いビスコ第八話 外道の罠 視聴後の感想ネタバレ込み

初っ端から黒革の恐ろしさがよっくわかるオープニング、キャア黒革さん恐ろしいぃ!

普通にカードゲームやっているように見えるのは本当に最初だけ……いや、黒スーツの『私の負けです、私の負けです、私の負けです、私の負けです、私の負けです、私の負けです』マジで怖いぃぃぃぃっ!

引用 錆喰いビスコ/電撃文庫 錆喰いビスコ製作委員会

子どもの頃の私がこれ聞いたらガチ泣きしちゃいますよ、本当に(怖い恐ろしい)

渡邉允瑠さん、という声優さんは知らないが、うん、これはちゃんとクレジットされて然るべきお仕事でした……これしか登場シーンないのに、ここまでインパクトを持つシーンは中々ないかと。

そしてそこからはしばらくの間は素晴らしいブラックスキンタイム。

津田健次郎さんの好演が実に嬉しい限り『出てきたのはこれ一つっきり。これを作れたってことは知ってるってことだよなぁ、ねこやなぎー』

引用 錆喰いビスコ/電撃文庫 錆喰いビスコ製作委員会

いや、このねこやなぎーの棒読みがスゲェ……棒読み演技、中々難しいと聞いているんですが、普通に喋っている最中にいきなり緩急つけて『ねこやなぎー』と棒読みですからね、津田健次郎さん。

オープニングを除けば、開始五分ほどはブラックスキンタイムな訳ですが、次はミロのターンになります。

引用 錆喰いビスコ/電撃文庫 錆喰いビスコ製作委員会

原作では、シビレダケの胞子を撒くことで、黒服達は鼻や耳から白いキノコを生やし、という描写が原作にはあるんですが、人間の口や耳からキノコを生やす、というのはさすがにグロテスクに思えたのか描かれていません。

でも個人的には、糸繰り茸に寄生されている人間の方がグロテスクに思えるんだけどなぁ……

しかし、まぁ、ラスボスがそんな簡単にやられる訳も無く、哀れ猫柳君、皆の分を仕返しした所でターン終了……

そして再度のブラックスキンタイム、津田健次郎さん最高ー!

『そぉうだ、政府支給のサビツキアンプルだよ。世界と金は錆びた人間の延命への欲求で回ってるんだ。そこへ君の作る夢の新薬が現れて哀れな人々を救ってしまったらオレのような旨い汁を吸って生きてる悪人どもは、どうなる? 困っちゃうよなぁ?』

引用 錆喰いビスコ/電撃文庫 錆喰いビスコ製作委員会

いや、この前後の黒革の演技がスゴイ……と言うかこの回、先程の渡邊さんの『私の負けです』に津田健次郎さんのブラックスキンタイム、パウー役の近藤玲奈さんの悲鳴に……おっと、この先の良いとこはまだ書くわけにはいかないですなぁ(黒革風味、愉悦愉悦♪)

でもABEMA TVで見ているとコメント見ていると、ミロを救うべく、ビスコが登場するシーンでは、黒革が『タキシード仮面』と言うんですが、タキシード仮面の単語に反応している人が結構いたのが笑いましたね(笑)

引用 錆喰いビスコ/電撃文庫 錆喰いビスコ製作委員会

錆喰いビスコの原作の方では、ジェンガの話題が出たり、火の鳥、スラムダンク、スターウォーズと色々と有名作の名前が出てくるんですよね。

まぁ、もちろんアニメの方では出せないので全部カットな訳ですが、タキシード仮面であれば、ギリギリアウトではありませんからね。

齋藤志郎さんのお経シーンがアニメオリジナルで挿入されているんですが、脱獄した際のジャビさんがキュートでよろしい(笑)

引用 錆喰いビスコ/電撃文庫 錆喰いビスコ製作委員会

それにしても今回は声優さんの演技が皆スゴイんだが、やはり黒革役の津田健次郎さんが今回は特筆してスゴイ。

『キノコが錆をばらまくなんて迷信を、日本中にばらまいたのが、オレだと言ったら。国に、何の罪も無いお前たちキノコ守りを売って美味い飯を食ってるのが、オレだと言ったら』

鬼気迫る具合に叫び気味に言いつつ、そこから思いっきり調子を変えて、

引用 錆喰いビスコ/電撃文庫 錆喰いビスコ製作委員会

『それでも、お知り合いになれねえか、赤星ぃ』と嘲るように言って、そこからビスコに弓でフッ飛ばされての、どこから声出してんのと聞きたくなるような悲鳴ですよ。

もう、もう今日は黒革だけでお腹一杯なのに、そこから糸繰り茸で操られ、ビスコを射る事になったミロの、花江夏樹さんの悲鳴と懇願……あぁ、罪悪感を掻き立てられる叫びなのに、それを無常に聞き流す黒革の『ターイムアーップッ』。

たまらず錆喰いの生成方法を喋ってしまうミロなんですが、それに対する黒革の返答は『よくできまちた』

原作では『よくできました』なんですけど、津田さんが黒革というキャラクターを深く理解してくれているおかげで、良改変が良い意味で目立っています。

そしてタイトルは『外道の罠』なんですから、切り札を喋ってしまったら、外道がビスコとミロの二人をどうするかなんてわかりきっている訳でして。

引用 錆喰いビスコ/電撃文庫 錆喰いビスコ製作委員会

『美しく悲しい映画的なシーンだ』とかすれ声で強く言うのも、ビスコが射られた矢を歯でつかみとって、黒革に投げ返す? 矢を投げ返した後の黒革の『あ』ときてからの、聞き分けることの難しい悲鳴……今日は本当に黒革祭りですよ、皆様♪

たまらずミロを糸繰りで操って自害させようとしたところを、ジャビ老が助ける訳ですが、齋藤志郎さんの声の調子が、一人だけいつも通りなのが、飄々としているジャビのキャラクター性を表していますなぁ。

それにしても、あれだけ痛めつけられた後で、普通に走って逃げれるパウーは本当に人間なのかなぁと思ったのは私だけでしょうか?(汗) せめて【安全な場所に匿っておるわい】とジャビに言わせるくらいの方が、説得力があるのでは……黒革があんなに拷問したのに、普通に走って逃げられる余裕がパウーにあるなんて、黒革が知ったら泣きますよ(笑)

この戦闘シーンは、ちょっと色々と突っ込みどころがあるんですけどね……ミロやビスコの油断は、まぁ理解できなくもないし、ジャビさんも、あの一撃で黒革が死んだと思って追撃をしなかった、と言うのは、理解できなくはないんですが……それでも万一を考えてトドメを指すのが常道だと思うので、トドメを刺せない状況の演出が必要でしょう。

引用 錆喰いビスコ/電撃文庫 錆喰いビスコ製作委員会

まぁ、こんな状態なら死んだと思っても、しょうがないかぁ?

原作では、ジャビが助けに入ると同時に

『逃げい、ビスコ! ここらは、こ奴の手駒で囲まれとるぞ!』と叫んでいるので、すぐに逃げなければ即座に囲まれる、という危機感からトドメを刺せなかった、というのは想像出来るんですよね。

んー、でもこのアニメ版だと、そういう状況でもないし……コメントでも、油断するな、とか、ちゃんと始末しろ、と視聴者から突っ込まれる……終いには、ピンチの作り方が雑、というコメントまで出る始末……うん、私も見てて、ここまでがとても丁寧な作りだっただけに、展開雑、っと思ってしまいました(涙)

詰めの甘い展開なので、糸繰り茸で操られた黒革の手下に追われた際にでも、

【あやつ、死んでおらんかったのか……トドメを刺しとくべきじゃったか】

みたいな台詞があれば、まだフォローができたのかな、と。

あれだと、ビスコもミロもジャビもそろってFateのギルガメッシュ並みの『慢心 A』がスキルにあるんじゃないかという詰めの甘さになってしまいますので……

ハッ、もしかして、この作品の主人公は黒革だったのか(んな訳はない)

そして、齋藤士郎さん演じるジャビの『それにな、礼をしてやらにゃ。息子を傷物にされて黙ってられる親がいるか?』の部分だけ、落ち着いたトーンの声音になるのが、静かな怒りが感じられます。

引用 錆喰いビスコ/電撃文庫 錆喰いビスコ製作委員会

今回、最後の聴きごたえのあるシーンは、ビスコがミロに呼びかけるシーン。

あの乱暴で猛々しい、猪突猛進という四文字熟語が似合うビスコの口から、あんな優し気な声が出るとは。最後の『バカ野郎』は、作品によっては凄く不吉に聞こえてしまいますが、そこは錆喰いビスコですから大丈夫なんですけどね。

引用 錆喰いビスコ/電撃文庫 錆喰いビスコ製作委員会

次回予告のナレーションは、意外や意外、主人公であるビスコ。

『俺は、俺が何者か、わかった。アンタはどうだ? 次回、きみを愛してる』

この上なく、シンプルにまとめてきて、鈴木峻太さんの声が逆に印象に残るナレーションでした。。

結論、声優さんの演技には大満足、アニメの作画というか、黒革にトドメを刺せない展開の仕方のみが残念、という感じでした。

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