さて、前回はホーの兄貴分であるスンウの考察を行ったのですが……うん、全然まとまり切れなかった(汗)
一日で、作品全体の考察を行おうと言うのが無理があるのかもしれないんですけど、読みたい本も多ければ書きたい事柄も多くあるもので……
今回は『殺し愛』という作品の結末、エンディングがどのようになるのかを予想したいと思います。
引用 Fe/KADOKAWA
前回は、三檮会(さんとうかい)の首領及び幹部18人を殺害したのは、『殺し愛』序盤で言われていた、たソン・リャンハではないことが、11巻のイーサン・黄(ホワン)ジュニアの発言から濃厚であることを提示し、では誰が殺したのかをまとめました。
理由をまとめる経過で、三檮会(さんとうかい)の首領である、イーサン・黄と思しき老人がナイフで刺殺されたコマの下に、幹部と思しき死体があるコマが存在すること、そのコマが、スンウがホーに電話で『できるだけ時間つぶしてから戻ってこい』と告げているコマと、殺されている人物の服装、絵画の配置、スタンドの配置、ソファの色、という具合に酷似していることもあり、幹部を殺した実行犯はスンウで確定だと思われます、というとこまで考察しました。
引用 Fe/KADOKAWA
引用 Fe/KADOKAWA
普通に考えればそのまま首領を殺したのもスンウなのではないか、といくのですが……私が、Fe先生の立場に立ってストーリーを構築した場合、もう一捻り、欲を言えばどんでん返しが欲しい、と思ってしまうんですよね。
幹部を殺した=首領を殺した、と私が断定しない理由がいくつかあります。
① 凶器が違う。
三檮会(さんとうかい)の幹部については、スンウが銃殺した、で確定でしょう。
実際、三檮会(さんとうかい)の幹部と思しき死体がいる部屋から、ホーに電話をかけている時に、スンウは消音器を取り付けた銃を持っており、頭や胸を撃たれた死体と状況から照らし合わせて、実行犯スンウ、凶器は銃で確定と考えて良いかと。
しかし、三檮会(さんとうかい)の首領であるイーサン・黄についてはナイフで心臓を一突きにされています。
幹部を殺害した部屋にスンウがいるシーンは回想で提示されていますが、首領を刺殺したシーンもなければ、刺殺体がある部屋にスンウがいるシーンの提示もありません。
加えて言うなら、首領の死体のコマの後にガードマン、もしくは幹部の死体のコマと続き、顔の見えない正体不明の、消音器付きの銃を持った人物が闇に向かって歩いていく、というコマがあります。
その数ページ後にスンウが幹部と思しき死体のある部屋でホーに電話をかけているんですよね。
もし、スンウが幹部殺害犯なのでなければ、幹部が殺害されていることをホーに告げているはずですので、幹部の殺害犯はスンウで確定ではないか、と思った次第。
普通に読めば、首領も幹部同様スンウが殺した、となるような構成なんですが、だからこそ何かおかしいな、と。
物語の語り手として見るなら、もう一捻り欲しい、と思うはず。
② イーサン・黄の信頼
個人的にはこの②もデカいかと。
ソン・リャンハは、イーサン・黄に気に入られてスンウ子飼いの部下になり、そこから幹部候補にまで昇格している事実があります。
ここです、『スンウ子飼いの部下』。
自らの命を救ったリャンハを、見込みアリと判断した逸材を託す部下に殺される……いやー、どうでしょう? 個人的にはあの爺さん、そこまで耄碌しているように思えません。
最盛期には10万もの構成員を保持した三檮会(さんとうかい)を一代で築いた人物が、コレはと見込んだ人物を託すほど信頼していた人間に裏切られて殺害される?
しかも、『世話は任せたぞ スンウ』と直接告げられるくらいには重用されている人物が、首領を殺害?
引用 Fe/KADOKAWA
うーん、『殺し愛』という作品が、デストロ246に影響されているとFe先生が明言していることもあって、ブラックラグーン的な香りも放っているので、絶対無い、とは言いませんが、下手人がスンウだったのならあそこで顔を明示するかな、と。
幹部を殺したのもスンウだから、首領殺したのもスンウ、とミスリードさせるために、わざわざあのコマをFe先生は提示したのではと思ってしまうんですよね。
と言うか、一巻では三檮会(さんとうかい)なのに、11巻では三檮會(さんとうかい)になっていることに、今更ながら気付きましたよ(汗)
③ リャンハの発言
ホーがシャトーちゃんを拉致った際に、リャンハはホーにこんなことを言っています。
引用 Fe/KADOKAWA
『……残念です ホーさん ホー(あなた)とは「仲良くやってくれ」とスンウさんが最後に仰ったものですから 本当に 残念』
場面から考えれば挑発目的の台詞なんですが、番外編でリャンハが死体のホーに向かって『大したもんですよ ホーさん』と敬意を示すかのような発言をしていることから考えても、リャンハ自身は、本当に、ホーから接触が無ければ殺すようなことは避けたかったのでは、とも思えるんですよね。
その理由は、『僕はホーさんが羨ましいんですけど 自由そうで』という発言。
スンウに対する言葉と、ホーに対するこの言葉、どちらもまごう事無き本音であれば、リャンハは進んで二人を殺したかった訳ではない、ということになります。
そして最後に、スンウがどうして無抵抗だったのか。
スンウがリャンハに殺害される直前、
『……あーあ そーゆーとこがお前はダメなんだよ リャンハ』と言いながら、抵抗らしい抵抗を見せていないスンウ。
引用 Fe/KADOKAWA
これ、どうしてスンウは抵抗しなかったのか、そしてこれから自分を殺す相手に、忠告めいたことを言っているのか。
私の想像では、以下のような事態になっていたのではないか、と空想しています。
① 幹部を殺したのは、三巻の番外編で出ていた内通事件の炙り出しのためであり、スンウは『首領の命令』で彼等を殺した。
② それに紛れる形で、イーサン・黄ジュニアが、父親であるイーサン・ホワンを、誰かを使って殺した。
③ リャンハは、首領が殺されたことを確認した後、何らかの理由で、幹部殺しをしていたスンウが首領を殺したと誤解、射殺
一連の行動で、リャンハが何らかの誤解をしていると悟ったから、スンウは忠告めいた言葉を残した
④ 五年の中で、イーサン・黄ジュニアが黒幕であり、首領殺しについては、スンウは冤罪だったと知り、リャンハは彼の遺言は極力守ろうとする。
こんな感じになっているのではないか、と想像しているので、私が予想する結末は、シャトーちゃんがニッカや、リッツランサポート商会の面々を引き連れてリャンハの奪還を成功させ、その途中で黒幕であるイーサン・黄ジュニアのネタバレ、スンウは誤解で射殺されました、という形に落ち着くんじゃないでしょうか。
ハッピーエンドの結末であれば、そのままスンウとシャトーちゃんはつかず離れずの関係性を保つ、という感じでグッドエンドっぽい形に落ち着くかもしれませんが……
この作品、人死にが多い上に、何といってもタイトルが『殺し愛』。
メインキャラクターでも、誰かが死ぬ可能性は皆無とは言えません、そう、『我ら不死身のリッツランサポート』の面子と言えども皆無ではない!
『絵面だけは完全死亡! 首刺されレッド!』のエウリペデス・リッツラン。
『どんな弾もかするだけ! フラグ乱立イエロー!』のインド君ことジム。
『崖?? 爆発?? 何ソレアトラクション?? 主人公補正ピンク!』のシャトー・ダンクワース。
あ、このギャグに首を傾げている方は『殺し愛』の8巻をご購入下さい(PRPR♪)
……死ぬ可能性、本当にあるのか?(錯乱)
真面目に話すと、復讐とか因果応報的な巡りがあると感じている作品ですので、リャンハはBADなエンドに向かってもおかしくないんだよなぁ……その場合、シャトーちゃんとの対決はさすがに無いでしょうけど、二人で愛の逃避行という可能性は……いや、ねえな、シャトーちゃんの嫌そうな顔しか浮かばない(汗)
リャンハのみ、生死が灰色模様、彼次第でグッドエンドにもバッドエンドにもなり得る、というのが私の推測になります。