『錆喰いビスコ』ジャビの声優は齋藤志郎さん

さて、『錆喰いビスコ』のキャラクターの紹介も、主人公サイドを一通りしていきましたが、主人公サイドのキャラクター紹介に、赤星ビスコの師匠であるジャビを最後にもってきたのは、理由があります。

それはですね、『今日が、敬老の日だからじゃ』

このネタわかる人、どのくらいいるかなー……一巻ガッチリ呼んでいる人ならわかるはずですが……

引用 瘤久保慎司 赤岸K/電撃文庫

もちろん、12月28日が敬老の日な訳がありません、敬老の日は9月の第3月曜日であり、12月28日は、私も今日初めて知りましたが、身体検査の日、だそうです……まぁ、全然関係無い話なので、由来とかここで語ることはしませんが(オイ)

ジャビは『錆喰いビスコ』の一巻のほぼ最初の部分からビスコと共に登場しています。群馬から忌浜側に抜ける関所で、勧進帳の真似事をしてビスコは切り抜けようとしますが、そりゃお経の一つくらい覚えていなければ、お坊さんではないと思われるのも当然なので、『だーから言ったんじゃい』と言うジャビの発言は真っ当なものなんですが、止めてやれよアンタビスコのお師匠様だろ、と思ったのも事実であり、この辺どうなのとも思わなくもありません。

止めてもビスコだから、強引に関所を突破するのが目に見えているため止めるのを諦めたのか、ビスコの発言通り『関東なら纏火党(てんかとう)は顔パス』だと思って、ビスコにお経を覚えさせるよりは確率が高いと思って、纏火党(てんかとう)の僧の真似事をさせたのか……

 まぁ、この最初の登場からして、豪快にして強引、獰猛が服を着ているようなビスコの師匠です、常識の範囲におさまる人間の訳がないから、まぁ想定の範囲内なのかもしれない(オイ)

基本的に最初の関所突破シーンは、ビスコの戦闘能力と世界観をわかりやすくするためのプレゼンテーションのような内容ですので、ここでのジャビは、すき焼き食べる際に使う生卵のような存在。

まぁ、すき焼きを生卵使わないで食べる昔の私みたいな食べ方している人であれば、私が何を書こうとしているのかわかりにくいと思いますが、ジャビという存在がいるからこの最初の関所突破シーンがわかりやすく収まっている、と私は思います。

この関所突破シーンで、ビスコは関所の役員と思しき人物達と、銃で撃たれたり、後で説明される動物兵器の一種である、機銃や大豊が背中に括りつけられたカバが出てきたりで、ビスコとジャビの二人は大立ち回りを演じます。

その最中に、ビスコはエリンギの弓を撃ち、30メートルはある城壁と同じ高さまで、エリンギを成長させた後、キノコにカバの糞を撒いてやれ、と叫びます。

ビスコ曰く、キノコは錆を食って育つ、ちゃんと育てれば、ここらもじきに、砂漠ではなくなる、と言いたかったのでしょうが、その返答は関所の役員と思しき者からの銃弾。

でも関所の役員にも言い分はあるんですよ。

『キノコの胞子はサビのもとって、常識だろうが!』という叫び。そう、一般的な常識では、キノコこそがサビの元凶、というものなのです。

しかし実際はビスコの発言が正解であり、キノコがサビを浄化してくれるんですが、人の固定観念と言うか、常識というものは中々揺らがないものです。

これまでのキャラクターの紹介、特にビスコのページでも書いていますが、彼は豪快で強引、獰猛な人物です。

この最初の関所の突破シーンでも、関所の役員の反撃に、ビスコは怒り狂った形相でこう叫びます。

『人の親切を……どいつも、こいつも! どうして、聞きやがらねえんだァッ!』

まぁ、ビスコの気持ちも理解出来ますが、関所の役員の気持ちもわかりますなぁ。

両者の間に事実誤認が存在しているからこその擦れ違いなんですが、銃弾飛ばしたり、こんなバカでかいキノコを発芽? 育成? させてしまった後で話し合いもクソもなく、ビスコと関所の役員達だけでは殺し合い待った無しの状況です。

だからこそのジャビ。ビスコの師匠という役割が活きてきます。彼は二人が騎乗するアクタガワという巨大な蟹に鞭を入れ、走り出させています。

潮時と思ったか、という24Pの地の文はそのままの意味でしょう。ジャビが傍観していれば、ビスコが関所の役員を殺してしまいかねませんから。

キャラクター的な意味合いでも、物語の構成上のピースという意味でも、ジャビは一巻での、安全弁の作用を果たしているキャラだ、と言えるでしょう。

現に、ビスコは相棒のミロと旅をするようになってからは、その豪快さと強引さと獰猛さに拍車がかかっているように思えます。

そりゃそうだ、ミロは基本冷静だしブレーキ役ですけど、逆にアクセルベタ踏みにする役でもあるんですから(汗)

このジャビさん、ビスコが旅をしている理由そのもの、と言っても良い存在であり、その体は錆に侵され、首から肩を下り、二の腕をかすめた状態で、右胸の大部分を覆っている、という状態。この錆が肺に届けば……非常にマズイことは、作中で明言されていなくてもわかってしまいます。

この師匠であるジャビを救うために、錆喰いというキノコ守りの仲でも伝説とされているキノコを探す旅をしている訳です。

物語の構造上での役割、ビスコとの関係はこのくらいにしておいて、ここからはジャビ自身はどういう人なのかをまとめていきましょう。

身体は錆に侵されているためか、やせこけており、ギョロ目の老人という描写があります。

キノコ守りの英雄と言われ、弓の腕前に関しては、敵役である黒革をして『ジャビ。キノコ守りにその人ありと言われた、弓聖の指だ』という発言もあることから、相当な実力者であることが伺えます。

また、指導力も高いだろうと想像出来るのは、ビスコを育て上げたのがこのジャビであることを考えれば、妥当な考えでしょう。菌術に蟹乗り、薬の調剤、と全てが高次元の分野でまとまっているのがジャビというキャラクターです。

一巻に出ているキャラで、キノコ守りの技術を使うのは、キノコ守りであるビスコ、ジャビに、途中でビスコの相棒となるミロに、敵役である黒革の三名。この三名を、私が一巻時点での情報をもとに、独断と偏見で能力を判断するならば、

弓の腕 ビスコ:規格外(戦闘機を弓矢で撃ち落とす) ジャビ:高レベル ミロ:中々のレベル 黒革:弓を使わない

菌術  ジャビ:最高レベル(黒革の『糸繰り茸』の呪縛からミロを解放している) 黒革:ジャビには敵わないが高レベル ビスコ:黒革に一段劣る? ミロ:一巻でラストバトルの際に相手をキノコ塗れにしている。結構な力はあると思うが、菌術で黒革を暗殺しようと試みた際、黒革に途中で見破られたため、黒革以上とは思えない。

蟹乗り ジャビ:高レベル ビスコ:高レベル ミロ:蟹乗りの技術は劣るが、ビスコにも出来ない、アクタガワに薬を用いた治療を成し遂げている 黒革:蟹に乗っていない

調剤: ミロ:超一流(キノコ守りの血が、錆の解毒剤のアンプルに必要な最後のピースであることを発見) ジャビ:高レベル 黒革:菌術のレベルの高さから推測するに、高レベル ビスコ:ジャビ曰く『てんでダメ』

全部の科目で、80点以上叩き出しているイメージのキャラクターなんですよね、ジャビ。

多分、アニメでのジャビの見せ場は、ラストバトルは勿論のことながら、黒革の『糸繰り茸』からミロを救出するシーンだと思うので、齋藤志郎さんにはそこはバシッと決めて頂きたく思います。

PVでのナレーションでやって頂いているような、ジャビのひょうひょうとした声は味があってとても私好みなんですが、『糸繰り茸』からのミロ救出シーンだけは、老兵の凄みを感じさせる声音で演じて頂けたらと思います。

『黒革め、外法の術だけは冴えおるの。……ワシの菌術にゃ、及ばねえがな。ウヒョホ』

そう、この『ウヒョホ』ってシリアス成分台無しにすると思うんですけど瘤久保先生、アニメの台詞、ウヒョホだけカットしません? 私はひょうきんなジャビが好きだけど、この救出シーンに『ウヒョホ』はいらんと思うんですー(泣)

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