『アラン機関とはぁ、世界的に展開する謎の支援機関だ。実際、個人か組織かもよくわからんがぁ、貧困や障害等を抱える天才を探し出し、無償の支援を施しているぅ。スポーツ、文学、芸能や科学など幅広い』
初登場時の、ウォールナットとの仮想空間内でのやり取りの際の台詞なんですが、この文字だけですと中々ロボ太の性質がつかみづらいんですが、声優さんの演技が組み合わさるとスゴイですよ。
何と言っても、あの無駄に巻き舌でかつ小物クサイ台詞回しは、一周回って逆にスゴイと思うんですよね。
引用 A-1 Pictures/アニプレックス
マジで、ロボ太の声優をあてた足立監督のキャスティングがキラリと光っております。
まぁ、一見しただけでコイツ、何? と思わせるロボットの被り物をしたハッカーとかって、誰だよこんなキャラクター考案したのは(汗) とも突っ込みたいのですが。
今回はタイトル通り、リコリス・リコイルに登場する敵サイド(真島陣営)のハッカー、ロボ太についての考察と、そのロボ太の担当声優についてまとめていきたいと思います。
ロボ太。本名ではないと思うのですが、これは裏社会で活動するハンドルネームみたいなものと思われます。
自称『世界一のハッカー』
まぁ、実際には日本国内ではウォールナット=くるみという、とてつもない高い壁が存在しているため、世界一どころか国内一でもない、というのが視聴者視点からの評価になります。
いつも、よくわからないロボットめいた被り物をかぶって素顔を隠しているんですが……
リコリス・リコイルの世界では、ハッカーはリスの着ぐるみを着たり、ロボットの被り物をしたり、素顔を晒してはいけない決まり事でも存在するんでしょうか?(汗)
いや、コレ、逆にこの被り物なりコスプレをしている奴がロボ太、もしくはウォールナット本人、あるいはその関係者と一発でわかってしまうのでは?
引用 A-1 Pictures/アニプレックス
いや、これはくるみの項目で語るべきなのですが、どうして吉松シンジは、第二話でロボ太がリスの着ぐるみの中身を確認しなかったことを尋ねなかったのか私としては不思議でしょうがないんですよね。
多分、プロットの製作上の都合でそうなった、とメタ的な視点では思うのですが、吉松シンジは、最初の策が不発でも、二の矢三の矢と立て続けに策を打つのは、リコリス・リコイルを視聴していればよくわかります。
現に、アランチルドレンである真島に銃を千丁支援しておりますが、テロリストである真島を支援しつつ、人工心臓を提供した錦木千束の『殺しの才能』を世界に届けさせるため(本当にそれが目的かは不明ですが)、支援しているはずの真島も、千束に『殺しの才能』を発揮させるために利用している節が見受けられます。
そうでなければ、第九話でアラン機関の姫蒲女史が千束の人工心臓の充電機能を破壊した際、そんな回りくどいことはせず、もっと直接的に千束を害すれば良い話でして。
千束に『殺しの才能』を発揮させるため、第十話まで十重二十重と色々な策を弄してきた吉松シンジが、着ぐるみの中身が本当にウォールナットであるか、確認せずに死亡したと断定するのがどうにも首を傾げてしまいまして……
いや、ロボ太が、ウォールナットを殺害できた、と確信するのは全然キャラクター的にOKなんです。そういう迂闊な所、言うなればウッカリがあるところも含めてロボ太かなぁと思いますので。
が、吉松シンジがこの報告で納得する、というのは、私は首を傾げてしまうのよね……
おっと、話が脱線してしまいました。
ロボ太。
本名は不明な彼ですが、日本一のハッカーを目指す技術者なんですが、インターネット黎明期から活動するウォールナット(くるみ)にはどうやっても一歩及ばず、目の上のたんこぶ状態。
どうやってもウォールナットにハッカーとして勝利することができず、アラン機関からのウォールナット殺害の依頼を受けたことで、実力での排除を試みる。
結果、民間の傭兵会社のようなものを用いることでウォールナットを追い詰め、目的を達成……したかのように見えましたが、くるみはしっかり生き延びているしなぁ(汗)
まぁ、日本一のハッカーになるのが夢と言うか目標であるロボ太にとっては、歓喜の瞬間でしたし、このエピソードからもわかるように、傭兵たちには高圧的かつ傲慢に振舞っている言動から、性格的に結構己惚れている、かつ穴があるハッカーさんなので、ロボ太がリスの着ぐるみの中身を確認しなかった、キャラクター性をよく表しているとは思うんですがね。
ただ、伝説的なハッキングの腕前を持つウォールナット(何せDAにハッキング可能なくらい)に【腕を上げたな】と言わせる程には、認められていた模様。
また、計画的に自身の死を偽装しようとした、なおかつ仲間として振る舞い不意をついた、という前提があるものの、ウォールナットを電脳戦で追い詰めてもいます。
が、ハッカー以外の部分が隙が大きく、先程の傭兵会社相手に高圧的かつ傲慢に振舞っていたのもそうなんですが、ロボ太が対リコリスの作戦を立案した際は、真島の部下に相当な被害を出してしまい、ブチ切れさせています。
部下があれだけ死亡したら、真島じゃなくてもブチ切れるし、問答無用で殺されていてもおかしくないので、真島の『他の奴等は死んでんだよぉ?』と言いながら拳銃を突き付けつつも、ロボ太の弁明を聞いているのですから、真島はまだ穏健だったのかもしれません。
そういった経緯もあって、吉松シンジからは小物と思われ【扱いやすい道具】とまで言われています。
真島にも傲慢な態度で支援を持ちかけましたが一蹴されていますしね。
が、錦木千束の情報を得て、そこから千束を追い詰める状況を整えたのは、真島の実力もあるとはいえ、ロボ太の手腕もあってこそ。
実際、喫茶リコリコの面々の救援が無ければ、千束は殺害されてもおかしくない状況まで追い込んでいました。
引用 A-1 Pictures/アニプレックス
しかしながら、千束という素晴らしい獲物を発見したことでロボ太は真島の信頼を得て、その後は真島に警察署を襲撃させることでウォールナット以外は出来なかったDAへのハッキングも成功させており、間違いなく有能な人物ではあるんですよね。
『僕に出来ないことは、世界の誰にも出来ないと思ってくれ!』とまでロボ太は真島に言い切っていますが、実際、くるみを除けばDAにハッキング出来る能力を持つ者は、作中に登場している人物ではロボ太のみ。
大言壮語と、言えないのがスゴイところ。
実行力はあれど自身の興味とか欲求を優先させてしまい、計画性にやや欠ける真島と、計画立案する能力はあるもののツメが甘いところがあるロボ太は。お互いに足りない能力をうまく補い合っている凸凹コンビだと思うんですよね。
実際、真島とロボ太、どちらが欠けても第十話で公共の放送を乗っ取ってリコリスの存在を示唆することは出来なかった訳ですから。
あ、あとロボ太の頭のランプ、本人の感情にあわせて点灯することがあるんですけど、あれってひそかにオーパーツなんじゃね、と個人的には思っていますがどうですかね?
引用 A-1 Pictures/アニプレックス
そんなロボ太の声優を演じているのが榊原優希さん。
2018年から声優として活動されている新人さんですが、最近は出演機会も増加してきており、2022年は名前のついた役柄で出演しはじめているので、ブレイク前の声優さん、と言う感じでしょうか。
青田買いするだけの実力はロボ太の演技で証明済みですし、天才王子の赤字国家再生術でナナキ・ラーレイでの好演もされていますし、これから先が大いに期待できる声優さんではないかと。