『錆喰いビスコ』のキノコと菌術の設定について

追伸 2月12日にアニメのキノコの画像を追加しました。

『錆喰い』ビスコの世界観は、テツジンの炉を用いて黒革が人工的に錆を撒いていたことは、もちろん冒頭で明かされてはいませんでしたが、キノコの胞子によって発生する『錆び風』のため、人体ですら錆びが発生してしまう、というのが世間の一般的な常識、考えになります。

『錆び風』の原因はキノコ。

もちろん、これは真っ赤なウソであり、キノコこそ錆びに対する唯一と言って良い対抗策な訳です。

引用 瘤久保慎司 赤岸K/電撃文庫

そう、この『錆喰いビスコ』において、キノコというものは非常に重要なアイテムであり、ビスコやミロにとって欠かすことのことの出来ない武器でもある訳です。

なので今回は『錆喰いビスコ』の一巻に登場しているキノコや菌術についてまとめていこうと思います。

ちなみに、菌術の調合シーンが一巻の103Pにおいて、菌術についての扱いの描写があるんですよ。

『ビスコは油断のない顔で、目の前の鉄壺を見つめている。くつくつと弱く煮える赤い液体に、頃合いを見て何やら緑色の胞子を少し、足す。しばらく様子を見た後、鉄の鏃を慎重に、一枚ずつ浸してゆく』

引用 錆喰いビスコ/電撃文庫 錆喰いビスコ製作委員会

この後に、ビスコの調剤がどれくらい繊細で危険な作業なのかを記述しています。

一応書いておくと、ビスコは調剤が苦手なんですが、得意な調剤もあるんですよ。主に、戦闘用に使うものになるんですが、ビスコが使うキノコ毒は優秀なものであると、地の分で明言されていますし、師匠であるジャビをして唸らせる品もあるのです。

ただ、ビスコが苦手としている調剤は人間や蟹を癒したりする、薬としての側面が苦手なんですよね。

地の文ではこう書かれていますね。

『薬は毒と違い、人体に効果的に作用させるための繊細なバランス感覚が必要で、いくらジャビがそのあたりを教えても、心配の停止しかねない極端な薬ばかり出来上がるのである。これについてはジャビは早々にこの分野に見切りをつけ、それ以上のキノコ薬学はビスコに教えていない』

一方のミロは、医者であることも手伝って、薬はもちろんのこと、対黒革用に作ったシビレダケのシビレ毒もありますし、『錆喰い』に必要なものが、キノコ守りの血液であることを突き止めたのもミロ、霜ウサギの狩りをする際に、発破ダケにハガネグモの毒を調合し、白い綿のようなもので捕獲したこともあるので、調剤・菌術の面では、キノコ守りの先輩であるビスコより、医者であるミロの方に軍配が上がるでしょう。

ここからは錆喰いビスコに出てくる、ビスコやミロをはじめとしたキノコ守りが使うキノコ、菌術についてまとめていきます。

エリンギ 

錆喰いビスコで一番最初に使われたキノコ。

『発破ダケの発芽力にタマゴタケの弾力性を合成し、強力なジャンプ台として機能させた、ジャビをして唸らせるビスコの代表作』

30メートルほどもある城壁同じほどに高く咲き誇る。

引用 錆喰いビスコ/電撃文庫 錆喰いビスコ製作委員会

週に一回、カバの糞を巻いてやると、砂だけの土地でも育ちが早くなるようだが、逆を言えば、砂だけの土地でも育つという意味でもあるので、色々な意味で規格外な生命力だと個人的には思います。

ヨモギタケ

ビスコの師匠であるジャビの錆を治療するために、ヨモギタケの薬液を注射している。ちなみに、もう錆の症状が強くなってきているのか『普通のキノコが効かねえ』とビスコはジャビに告げている。

しびれエノキ

砂釣りの際に用いる。しびれエノキの矢を砂中に咲かせ、それに喰らいついた獲物を釣る

シメジ

ミロがパウーのために調剤をしようとしたキノコの一つ。ビスコ曰く、大した薬効はなく、食った方がマシ、らしい。

アニメの画像と話から判断すると、下のビスコとミロのシーンでは、調剤機の近く、机の上に置かれているキノコと思われる。

また、チロルがアクタガワを盗もうとした際に、ビスコがシメジの群れを咲かせている。

料理の材料として、シメジとトビフグの肝汁をミロがつくった際には、ビスコはアホみてえにうまいと絶賛。

ヒソミタケ

ビスコ曰く『治癒力はこれが一番強い』。ジャビの錆のために調剤してもらおうとしたキノコ。しかし、紫色のキノコというのはあまりにも毒々しい。が、ビスコの言う通り薬効は確かで、ジャビはこのヒソミタケで作られたアンプルで命を繋ぎとめ、パウーの錆びもこれで容態を安定させている。

引用 錆喰いビスコ/電撃文庫 錆喰いビスコ製作委員会

フウセンダケ

ビスコがパウーと交戦した際に用いたキノコ毒。パウーの持つ鉄棍に仕掛けたことで、白い、丸いものがエアバックのように膨れ衝撃を殺すことで、棍としての役割を果たさせないようにした。

鉄の表面に白く菌糸が浮いたら、それが発芽のサイン。

引用 錆喰いビスコ/電撃文庫 錆喰いビスコ製作委員会

浮き藻

キノコではないんですが、植物の一種に分類されるかと思うので、2月12日に追加。忌浜北部に広がる【浮き藻原】に、春から夏にかけて、球状になって空中に浮く。お日様の光を溜め込んで、夜に発行する。

引用 錆喰いビスコ/電撃文庫 錆喰いビスコ製作委員会

赤ヒラタケ

ビスコの調剤シーンで使われたキノコ。鏃の刺さった大木から、連続的に赤く綺麗なキノコが咲くと、平たく、薄い傘をゆっくりと広げる。日光戦弔宮に対して使用されている。

追伸 2022 2/12

赤く、綺麗なキノコが咲くと原作にはありますが、アニメの日光戦弔宮で出たキノコは、ご覧の通り紫色(戦闘シーンが夜だからかもしれません)。なので、使われたキノコは赤ヒラタケではない可能性がありますが、一応画像を掲載しておきます

引用 錆喰いビスコ/電撃文庫 錆喰いビスコ製作委員会

錨茸

いかりだけ、と読む。子ども達の集落を襲ったトビフグの群れに使用。凄まじい重量を誇るキノコ。濃い鉛色のキノコ。

引用 錆喰いビスコ/電撃文庫 錆喰いビスコ製作委員会

発破ダケ

ミロが霜ウサギを捕獲するために、ハガネグモの毒を調合して使用し、見事に捕獲成功している。この調剤されたモノは、矢を中心として白い綿のようなものが弾け、周囲に降り注ぐ。

灯し茸

細かい金粉のようなものが胞子。小さく発光する橙色のキノコ。光量は出ない。

ビスコは作中で胞子を口に含んで吹き出す形で灯し茸を根付かせているが、口の中に生えてしまっている。

地蔵ダケ

ジャビ作。発芽すると、そこから地蔵みたいなキノコが咲く。毎回、表情も微妙に違うらしいが、当然のことながら、使い道は拝むくらいしかない。チロル曰く『……よくわかんないね、キノコ守りって。賢者なの? アホなの?』

キクラゲ

ビスコの台詞の中でのみ登場。特徴とかキノコの形とかは記述無し。多分現実のキクラゲと同じでは?

カエンタケ

カエンタケ榴弾、という形でミロが重油ダコに対し使用。高熱を帯びた煙を放出する。

銀酸ナメコ

粘着質の粘液を帯びた銀色のキノコ。繁殖力が強い。強烈な酸の特性を保有する。匂いがひどい、有害なものと推測される。

重油ダコに使用しているが、ミロはこれを重油ダコの粘液を調剤して威力を高めたものを筒蛇に使用している。

ベニテング

一巻では具体的にどのような特性を持っているかは明言されていない。重油ダコの親玉に使用。

錆喰い

『いかなる錆もたちどころに溶かし、健康な肉を取り戻す』とされており、キノコ守りの中でも半ば伝説的な存在。

具体的な生息地や咲かせ方も失伝していたが、キノコ守りの血を与えることで咲くことをミロが発見。子泣き幽谷に生息。

ただ、一巻の200Pでは青色に光るキノコが群生し、と書いているがこれは子泣き幽谷で発生している青い霧のためと思われる。218Pでは『『錆喰い』の鮮やかな橙色』と記述がある。

シビレダケ

筒蛇の舌にミロが打ち込んだが、麻痺した舌を筒蛇は対象に絡ませたままなので、どのくらいの効果があるのかは不明。

しびれエノキとの違いや毒の強弱の関係性なども不明。

ただし、ミロは対黒革戦で、シビレダケに発破ダケの発芽質を加えたものを襲撃に使用している。

ネムリダケ

重傷を負ったビスコの身を案じて、鍋の汁にミロが混ぜたもの。ミロの様子から、即座にビスコには看破されてしまう。

糸繰り茸

黒革がミロに使用。

『筋肉に値を張った菌に対して、黒革の脳に埋めたチップが電気信号を送ると、思考を反映してその通り動く』という実にえげつない品。ミロは抗うことが出来なかったが、ジャビが救出。

なお、黒革はビスコには使用していない。『糸繰りが効く気がしねえからな』とのこと。

ハッカダケ

矢だるまになっていたミロに、ビスコが気付けとして与えている。呑まずに、ゆっくり噛む。

多分、これで一巻に出てくるキノコ、全種類、かな?

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